日本の代表者・鈴木順造被告人,勧誘責任者鈴木ポール武蔵被告人が逃亡犯罪人として米国に引渡すことができる場合に該当する旨の東京高裁決定(3月27日付)に関する声明
MRI被害対策弁護団
団長 山 口 廣
東京高等裁判所は,昨日3月27日付で,MRIインターナショナルの日本における代表者・鈴木順造被告人および同人の長男でありMRIの勧誘に主導的役割を果たした鈴木ポール武蔵被告人が逃亡犯罪人として米国に引き渡すことができる場合に該当する旨の決定をした。
東京高等裁判所のこの決定は,鈴木順造被告人,鈴木ポール武蔵被告人とも,米国のみならず日本の法令によっても詐欺という犯罪を行ったと疑うに足りる相当な理由があると認定し,また,詐欺の故意およびフジナガ被告人との共謀についても認定したものであって,同裁判所の判断は極めて妥当である。
本年1月30日の審査請求を受けての上記決定であり,決定まで2か月近くの期間を要したが,その判断内容を高く評価する。
今後,鈴木両被告人は,日本の法務大臣の引渡命令を経て,米国当局に身柄を引き渡され,米国の刑事司法手続きに服することになる。
当弁護団は,鈴木両被告人の身柄引渡にご尽力いただいている日米当局者に対し改めて敬意を表するとともに,速やかに鈴木両被告人が米国に引渡され,一刻も早く刑事手続きにより有罪認定および量刑の言渡しがなされることを切望する。
なお,MRIインターナショナル代表者のエドウィン・Y・フジナガのネバダ地区連邦地裁での量刑言い渡し手続きは,当初予定の3月8日から4月11日午前10時半に変更されている。同被告人に対する量刑判断にあたり,被害者らは日本から重罰を求める請願をしているところであり,同裁判所において,フジナガ被告人に対し,できるだけ重い量刑を言い渡していただくよう切望するものである。
日米の国境をまたぐ詐欺事件の解決のために,当弁護団は,これまで誰もなしえなかった,日本人を救うための米国クラスアクション手続き,米国証券取引委員会(SEC)によるディスゴージメント手続きを実現してきた。そして,米国司法省(DOJ),連邦捜査局(FBI)への働きかけにより上記被告人ら3名の起訴にこぎ着けた。フジナガ被告人の量刑言い渡しを直前に控えたこの時期に,鈴木両被告人の米国への引渡まで実現できたことは感無量である。
当弁護団は,民事の配当実現のみならず,刑事手続きにおける上記被告人らへの厳しい量刑言い渡し実現に向け,さらに活動を続けていく所存である。
以 上