弁護団声明
2013年7月25日
MRI被害弁護団
団長 弁護士 山口 広
7月23日(火)2時18分付でMRIの数百名にのぼる多数の出資者のメー
ルアドレスにMRIインターナショナルインク代表取締役エドウィン・フジナガ
名義で「投資家の皆様へ」と題する文書がメールされてきました。更に同一内容
の文書が郵送で送付された出資者もいます。
これは当被害弁護団が7月5日にネバダ州連邦地方裁判所に損害賠償請求のク
ラスアクションを提訴するなどの諸手続をとったことへの対抗策だと思われます。
MRI及びエドウィン・フジナガ氏は、金融庁の4月26日付の具体的事実を指
摘した上での行政処分に対し、これまで具体的な反証をできないままであり、ど
のようにして全額返済するのか何ら明示しないままです。本年4月12日に来日
して受けた証券取引監視委員会での聴取において、フジナガ氏は運用の実態が投
資家への説明と異なっていることを認める発言をしたという関係者の有力な主張
もあります。
MRIは、「金融庁の決定に反対すべく訴訟によって主張をいたしたい」など
と、行政処分について争う姿勢を繰り返し述べています。しかし、日本における
行政処分には公定力があり、これを取り消すには、日本の法律上、行政不服審査
法による審査請求と、行政事件手続法による訴訟がありますが、MRIは、今ま
で、どちらの申立てもしていません。行政不服審査法の審査請求期間は、既に途
過しており、登録取消の処分の取消しの訴えを10月までに提起しても、執行停
止にはならず、MRIが金融業者としての事業を継続することはありえないので
す。
MRIが「事実認定を争う」との声明をいくら発表し、コールセンターで投資
家と対話しても、全く意味がなく、現存するMRIの財産を費消し隠匿する時間
稼ぎをする目的の言動であるとしか考えられません。
エドウィン・フジナガ氏に出資者の苦しみを解消する誠意があるのなら、この
ような抽象的な言い逃れ、時間かせぎに終始するのではなく、具体的な事実関係
を当弁護団や公的機関に正直に説明し、保有する全ての財産を被害者のために提
供する実のある行動をとるべきです。
当弁護団はすでに4000名以上の出資者の依頼を受け、その切実な声を代理
する立場にあります。当弁護団は出資者の利益のためにエドウィン・フジナガ氏
の誠意ある対応を求めるとともに、その対応次第では厳しく責任を追及します。
以上